キャリブレート、スナッピーレシーバーなどのクリティカルダメージを上昇させる武器MODが実際に何%上昇させるかを実験と計算によって調べました。
まどろっこしい話が嫌いな方は考察とまとめだけ読みましょう。
以前にも一回調べたのですが、今思うとかなり適当だった…
実験
概要
敵のHPを数値で表示するMODを導入し、クリティカルダメージアップレシーバーを付けたハンティングライフルでの与えたダメージからクリティカル倍率を求めていきます。
小数点以下のダメージは計測出来ないうえ、各条件で一回ずつしか計測していないガバガバ実験なのでかなりの誤差が含まれていますが、大体の値が分かればよいので気にしないことにします。
実験方法
Lv10のハンティングライフル4丁のレシーバーを、それぞれ、スタンダード、スナッピー、シビア、キャリブレートに改造しました。それぞれのダメージは50、シビアのみ56になっています。
スナッピー:クリティカル + 発射速度上昇
シビア:クリティカル + ダメージ上昇
キャリブレート:クリティカル上昇(大)
被験者はヘムロックホールズ南にいる、激怒したグラフトンモンスターにしました。
MODによるクリティカル倍率の値だけでなく、PERKカードのクリティカル倍率上昇がどういった計算式になっているのかも知りたかったので、PERKカード無しと「Better Criticals」レベル1(+20%)の二通りで実験しました。
理論
実験によって各レシーバーで与えたダメージを計測する訳ですが、与えたダメージからどのようにクリティカル倍率を算出するのか説明します。
まず、次の式を見てください。
これはFallout4でのダメージ耐性によるダメージ軽減率を表した式になります。
DamageCoeff はダメージ倍率、Damage はダメージ耐性で軽減される前のダメージ、DamageResist は対象のダメージ耐性を意味します。
Min(a,b)とは a と b 小さいほうの値をとることを意味します。
この式を見ると分かるんですが、ダメージが上がるほど(相手のダメージ耐性が下がるほど)ダメージ倍率が上がっていくようになっています。(低火力武器が弱い一因)
そのため、普通に撃った時の与えたダメージとクリティカルで撃った時の与えたダメージを単純に比較してクリティカル倍率を求めることはできません。
クリティカル倍率を求めるには、ダメージ耐性が計算される前のダメージを算出する必要があります。
以下、その方法を示します。
実際に与えたダメージを D ,ダメージ耐性で軽減される前のダメージを d とおきます。
今回の対象であるグラフトンモンスターのダメージ耐性は150のため、上の式は次のようになります。
Ⅾ = d x (ダメージ倍率)であるので、
dについて解いて、
Dは実験で計測できる値であるので、d を算出することができます。また、 d が分かれば
(クリティカル倍率) = (クリティカルショットのときの d) ÷ (通常ショットのときの d )
よりクリティカル倍率を求めることができます。
結果とデータ処理
実験で計測したダメージ D と、上で説明した計算によって導かれた軽減前ダメージ d を表にしました。
PERKカード無しのとき
表1.PERKカード無しのときの与えたダメージ D | ||||
---|---|---|---|---|
スタンダード | スナッピー | シビア | キャリブレート | |
通常 | 17 | 17 | 20 | 17 |
Crit | 43 | 53 | 62 | 65 |
表2.PERKカード無しのときの軽減前ダメージ d とクリティカル倍率 | ||||
---|---|---|---|---|
スタンダード | スナッピー | シビア | キャリブレート | |
軽減前通常ダメージ | 50.54 | 50.54 | 56.93 | 50.54 |
軽減前Critダメージ | 99.74 | 116.25 | 130.41 | 135 |
Crit倍率 | 1.97 | 2.30 | 2.29 | 2.67 |
「Better Criticals」レベル1を装備したとき
PERKカードで+20%のクリティカル倍率を手に入れた時も同様に調べました。
表3.PERKクリティカル+20%のときの与えたダメージ D | ||||
---|---|---|---|---|
スタンダード | スナッピー | シビア | キャリブレート | |
通常 | 17 | 17 | 20 | 17 |
Crit | 50 | 60 | 70 | 71 |
表4.PERKクリティカル+20%のときの武器ダメージ d とクリティカル倍率 | ||||
---|---|---|---|---|
スタンダード | スナッピー | シビア | キャリブレート | |
軽減前通常ダメージ | 50.54 | 50.54 | 56.93 | 50.54 |
軽減前Critダメージ | 111.39 | 127.31 | 142.53 | 144.02 |
Crit倍率 | 2.20 | 2.52 | 2.5 | 2.85 |
考察
表2と表4を一つにまとめたものが表5になります。
表5.武器ダメージ d とクリティカル倍率 | ||||
---|---|---|---|---|
スタンダード | スナッピー | シビア | キャリブレート | |
軽減前通常ダメージ | 50.54 | 50.54 | 56.93 | 50.54 |
軽減前Critダメージ | 99.79 | 116.25 | 130.41 | 135 |
軽減前Critダメージ(PERK) | 111.39 | 127.31 | 142.53 | 144.02 |
Crit倍率 | 1.97 | 2.3 | 2.29 | 2.67 |
Crit倍率(PERK) | 2.2 | 2.52 | 2.5 | 2.85 |
誤差は気にしない
武器MODについて
表5の5行目から、クリティカルと他の性能が上がるレシーバー(スナッピ-、シビアなど)のクリティカルダメージ増加は+30%で、クリティカルを大きく上昇させるレシーバー(キャリブレート)のクリティカルダメージ増加はおよそ+65%のようです。
PERKについて
表5の下2行から、PERKによるクリティカルダメージ上昇の値は単純に加算されるようです。
例えば、キャリブレートレシーバー(+65%)とPERK(+20%)を同時に積んだ時、
(クリティカル倍率) = 2 + 0.65 + 0.2 = 2.85 [倍]
のようになります。
ダメージ上昇 + クリティカル上昇のレシーバーについて
クリティカル時の武器ダメージは、ダメージ上昇した値からクリティカル倍率が掛け算されるようです。つまり、 改造無しの通常ダメージを1とすると、ダメージ+12.5%、クリティカル+30%であるシビアレシーバーのクリティカルダメージは
(1+0.125) x (2+0.3) = 2.59 [倍]
となり、キャリブレートレシーバーでクリティカルした時(2.65) とほぼ変わらないダメージが出てしまうことが分かりました。
ダメージ耐性を無効化?
クリティカルは敵のアーマーを無効化するという話を聞いたことがありますが、 ダメージ50のクリティカルが43ダメージしか与えられないので別にそんなことは無いようです。
まとめ
- クリティカルダメージを上昇させるレシーバーは+30%
- クリティカルダメージを大きく上昇させるレシーバーは+65%
- PERK「Better Criticals」とレシーバーを同時に積んだときのクリティカルダメージの上昇は足し算
- シビアレシーバーとキャリブレートレシーバーのクリティカルダメージはほぼ同じ
コメント
いつも有効な検証をありがとうございます。
クリティカルのアーマー無視説って、おそらくヘッドショットの効果が混在していますよね。
クリティカルなら必中なのでヘッドショットの命中率大幅ダウンが実質ノーリスクになりますし、それが当たり前として扱われてそうな気がしています。
私はよく知らないのですが、ヘッドショットはアーマー無視の効果があるんでしょうか?
あるとすると混同されて考えられている説が濃厚ですね。
勉強なりました
ガトリングレーザー等の「クリティカルダメージアップ」もこれとおなじなんですよね?
でしたら燃費が悪いヘビーガンのクリティカルダメージアップレシーバーは地雷です?
そうですね。燃費が悪い武器だからといってクリティカル強化の改造が優遇されたりとかはありません。